第9回 地杉の集いの開催ご報告

第9回 地杉の集い開催お礼とご報告:

1.楠川歩道を歩く
11月23日(金)13:00~16:00
楠川歩道

江戸時代にはすでに開かれていたという山道として、この度放置されていた一部を復活させ、「楠川旧歩道」として活用することになりましたので、今回のイベントに合わせ渡り初めということでありました。

山との深いかかわりは、江戸時代から続く島の産業や、人々の暮らしを支えてきました。特に楠川集落は、小杉谷に通じる唯一の道として、歴史的にも価値感の高いつながりをもっていました。参加者からの声にも、長時間の登山というよりは、里にある身近な山道として、健康増進やレクレーションエリアとしても十分活用できる評価ができる。また、人工杉林活用のための教材としての森林ツアーなどにも活用できる、身近な環境にあるのではないかというような感想を頂いた。

午前中に降っていた小雨も上がり、秋風に吹かれながら楽しい時間を満喫できました。             
島外から参加して頂いた方たちにも、屋久島の色濃い森林資源を身近に感じていただけたのではないでしょうか


歩道脇の杉人工林

楠革旧歩道の想いを語る、牧良平氏。

2.交流会
11月23日(金)18:00~21:00
楠川公民館(ふるさと館)

楠川旧歩道を歩いた後で、全国から参加して下さった皆さんとの交流会は、宮城県仙台市から訪れた、ロス・ミドラスの4名のメンバーによる音の旅をテーマに、アルゼンチンやペルーの南米民族音楽のたのしい演奏を聞かせていただいた。

宴会では乾杯の音頭を長老の安藤義之さんにお願いしました。毎回参加して下さる先輩として、心強い発声のもと、山との関わりや今回の参加した感想などを話して頂きました。

交流会では焼酎の効きも良くなり、ロス・ミドラスの再登場となった辺りは、会場は踊りや手拍子で最高潮に盛り上がりました。地域づくりのためのキーワードとなる、人との連携、業種間を超えての交流など、今回の交流会も心に響くものがありました。地杉の活用は、地域のコミュニケーションから始まります。

少し肌寒さを感じる夜でしたが、皆さんの熱気のお陰で、山とのかかわりが深い楠川集落から明日へ繋がる希望が見えてきました。
今回も、食事の準備や遅くまで片づけをして下さったスタッフの皆さんに、心よりお礼を申し上げます。

参加者の皆さんには、遅くまでお付き合いくださいました事を厚くお礼を申し上げます。             


ロス・ミドラスの白熱の演奏

参加者全員に一言あいさつを頂きました

3.基調講演
11月24日(土)18:00~21:00
環境文化村センター
メインテーマ「活かそう杉人工林」

オープニングテーマでの、チェレステ楽団の演奏は、音楽の出逢いの原点であるかのような、とても心温まる曲を利かせて頂きました。ステージの色彩も鮮やかで深く印象に残るものとなりました。

講師の浅田埼玉教授は、木育の研究では第一人者であります。先生の研究成果や今回のテーマである屋久島の杉人工林活用、「木と共に育む地杉の魅力再発見」と題して、後援をして頂きました。屋久島は森林資源のブランド力がある、それに加え、一般の杉と比較したとき、地杉の特性は格段な違いがある。子供たちが気にふれる機会をつくる玩具やキッズスペースはもちろんのこと、材質に精油分が多く香りが良い。快適な居住空間や室内空間に用いることにより、人体に対しより健康的な材木であることが評価されました。

身近に木材と触れ合うことにより、五感にいい影響を与え、特に学校建築では生徒の精神面や学力においても良い結果が出るというデータも、示して頂きました。
熊本県八代ご出身である浅田先生は、はじめての屋久島来島でありました。これからも地杉の良さを発信して頂き、力強いパートナーとしてのお力添え、御指導をお願いしたいと思います。

今回は、木の対する親しみや木の良さを深めるために、浅田先生の「木育」についての概念を学習することができました。


チェレステ楽団ミニライブ

浅田先生基調講演
            

米田屋久島森林管理署長

4.パネルディスカッション

松下生活研究所所長のコーディネイトによる、地元パネリストに地杉の山を生かすためのこれからすべきことは何かという問いかけではじまり、地元の荒田洋一氏(樹木医)は、杉だけではなく広葉樹などを建築材として活用すべきだ、昔の家は、適材適所に上手に地域材をつかっていた。長年、林業と関わって来た笠井林氏は、地域材を活用することは、雇用も生まれ、山に人が入ることにより、動植物にもいい影響を与えることができる。と、それぞれの経験から生の声を聞くことができました。また会場からは、地域材活用のために、どのような対応を考えているのか、トレサビティや消費者に対するセールスをしっかりやってほしいとの意見が出された。

最後に浅田先生より、屋久島のロマンある森林資源を生かすことは、幅広い活用方法があり、木材資源だけでなく、バイオマスやエネルギー源の活用としてCo2削減に大きい効果を得られる。

今回の地杉の集いは、屋久島の森林環境と地杉の特性を生かすことを再確認し、今後の運動の節目となる御意見を頂きました。乾燥をはじめ、トレサビティや品質管理についても信頼度が高い製品開発に努めて参ります。

2日間に渡り、地杉の集いに参加して下さいました皆様をはじめ、開催にあたり、御支援御協力を賜りました皆様に、心より、御礼を申し上げます。

ありがとうございました。