第3回木育セミナーin福岡第10回地杉の集い同時開催のご報告

第3回木育セミナーin福岡第10回地杉の集い同時開催のご報告

この度、1月29日にアクロス福岡セミナー室2にて行いました、第3回木育セミナーin福岡及び第10回地杉の集いの開催ご報告をさせて頂きます。木育セミナーとは、屋久島の森と人工林杉の木材の魅力や、森林保全を必要とする林業の普及を呼び掛けるために、自主的に島外へ出向いて3年前から行ってきたイベントです。この木育セミナーと、島内で例年開催している地杉の集いを屋久島と都市をつなぐ試みで同時に開催してみました。             

今回は、九州大学農学研究院の清水邦義先生をお招きして、「香りの空間」~木のはたらき~について講演をいただいました。清水先生は、大学時代から天然物(樹木、香り、きのこ、生薬)の研究に従事しており、屋久島の地杉がもつ香りのはたらきや、素材を活かした住宅空間をなぜ奨めるのかについて研究データを基にお話してくださいました。 植物には個性があり、老化を抑えたり自然治癒力を高めたりする抗酸化作用や消臭や防虫などに役に立つ成分を抽出することができることがこれまでの先生の研究からわかっていて、屋久島の杉の個性を活かした可能性についてもお話していただきました。             
また、パネリストとして清水先生に引き続き登壇頂き、屋久島の植物で香りを生産する会社「やわら香」のオーナーとして島にご縁のある南沢典子さんと一緒に、パネルディスカッションに参加して頂きました。南沢さんは、あきゅらいず美養品の代表で、屋久島の林業の6次産業化の実現にむけて昨年お店兼工場をオープンさせています。 さらには、屋久島の健全な林業と木材流通の仕組みづくりについて我々と一緒に取り組んでいる、松下生活研究所代表の松下修さんにもパネリストとして参加して頂く運びになりました。パネリストの皆さんには屋久島の魅力についてや、これからの屋久島での産業について期待していることを語っていただきました。             

回収したアンケートでは、香りの空間についてもっと掘り下げて聞きたかった、木の上手な使い方を知ることができて良かった、噂や伝承をヒントに研究をされることが興味深かった、という反応を頂き、会場にサンプルでお持ちした地杉の良さについてお尋ねした項目では、アンケートに答えた方すべてから良さがわかるという回答を頂きました。当日会場にお越し頂いた方々には、益々屋久島に興味を持っていただけた回になったかと思います。             

このたびの開催につきまして、後援を頂きました、鹿児島県屋久島事務所、屋久島森林管理署、NPO法人九州森林ネットワークに感謝を申し上げます。             

*木育セミナーとは、埼玉大学教育学部、浅田茂裕先生が、木工での教育や、学校などの教育環境、教育材料への木質系材料利用の効果について調査研究を進めている中で生み出した言葉です。親子で遊べる木工のおもちゃの開発や、教育環境の木質化が子供の健全な成長にはとても重要であるという研究を進められており、需要者と供給者がもっと身近にある木のことについて一緒に学び知識を育てたいという想いから、わたしたちはこの「木育」というワードをつかわせて頂いております。             


やわら香の商品もご紹介

やわら香の施術の際に出されているスギの葉茶をふるまいました
            

九州大学農学研究院 清水邦義先生

パネルディスカッションも「香りの空間」~木のはたらき~
            

会場に集まっていただいたみなさま